フランスに移住して10年。実際に生活してわかった事は、女性の私から見ても「フランス女性は魅力的だ」という事。それは見た目うんぬんの話では無い。
そして、歳を重ねるとより美しさに磨きがかかる。何故か。
生涯、恋愛をして生きるフランス女性達の美の秘訣とは一体何なのか?
結婚しても、子どもが生まれても、ずっと女性として生きる彼女たちから「大人の女性の生き方」のヒントを掴みたい。
実際のフランス女性を見ていると、日本人には欠けている美への価値観が見えてきました。
いざ書いてみるとかなり長文になったので、3回に分けてお届けしたいと思います。
- フランス女性の魅力とは何か? ←今日はココ
- フランス女性の考える「美の定義」とは?
- フランス女性が美の為に譲れない5つのポイントとは?
在住10年目の私が感じるフランス女性達の魅力
フランスで生活していて、日本と圧倒的に違うなと感じる点。それはずばり女性の生き方。
美の価値観です。
そして、その美の価値観こそ、本来の女性の美しさであるなと再認識させられます。
様々な人種が生活するフランスで、顔の造形で美しさを決められるような、そんな単純な基準は無いに等しい。
最初に言っておきたいのが、見た目が美しいとか、そんな話では無い。
でも、同性が見ても何だか魅力的で美しいなと感じてしまう何かがそこにはあります。
そんな私から見たフランス女性の3つの魅力をまとめてみました。
1、姿勢や歩き方が綺麗
まず美しさは感じるポイント。それは、フランス女性の姿勢の良さと、歩く姿の美しさである。
凛とした表情で颯爽と歩く後ろ姿に惹かれます。
残酷なのは、最初からそれを感じるわけではなくて、パリ中心地の観光地などに居る日本人や中国人の歩き方があまりにも酷すぎて、そこで初めてフランス人の歩き方の綺麗さに気が付くのです。
後ろ姿の歩き姿だけで、簡単に日本人と中国人を区別できます。日本人は内またで、何かを引きずっているように歩き、中国人はかなりのガニ股で歩きます。本当に面白いくらいに顕著に表れます。
「あれ?こんなに日本人って変な歩き方をしていたのか。」
それを感じているのは私だけで無く、海外では一般的にそう思われているというのがわかるエピソードがあります。
以前、私がデパートで買い物をしている時に、ある50歳ぐらいのベテラン販売員のマダムに、ジロジロと見られていて、「あなたは日本人では無いわよね?」と声を掛けられました。
「いえ、日本人ですが・・・」
「そうなの?見た目は日本人っぽかったけれど、歩き方が綺麗だったから日本人だとは思わなかったわよ。」
そのマダムは、決して嫌味を言っているのではなく、その後の会話からも、接客をする上で国を把握したかったんだろうというのは想像できましたが、何だか褒められているのかけなされているのか、何とも言えない気持ちになりました。
テレビとか、一般的な会話の流れでも当たり前のように、日本人は姿勢が悪い、特に歩き方が酷い事を前提に事が進んでいきます。
街行く日本人観光客の顔も綺麗で身なりにも気を使っているのに、歩き方だけで本当にガックシきます。
それに比べてフランス女性は颯爽と歩き、後ろ姿だけでも美しさを感じます。
2、知性とセクシーさがある
そして二つ目のポイントは、エレガントであるという事です。フランス女性にとってエレガントは最上級の誉め言葉。
エレガントというのは知性+セクシーさで出来ていると考えています。
色気があるという事です。それは単にセックスアピールが凄いのかというと、全くそれとは相反していて、どちらかと言うと、女性としての知性、教養、品格があると表現したら良いのかな。
ここで重要なのは「知性=セクシーさ」という公式が当てはまるという事です。
若くて見た目が良い人がモテる日本とは違い、ちゃんと会話が出来る人がモテるフランス。
いくらハンサムでも、美人でも、知性が無いと話が弾まず、面白みのない人間という評価を受けてしまいます。
なので、教養が少なく会話が出来ない綺麗な小娘よりも、どんな話題でも対応出来る成熟さを持ったマダムに魅力を感じるという雰囲気が社会全体にあります。
自分なりの哲学があり、政治なのか、経済なのか、はたまた映画、喜劇、絵画なのか、歴史なのか旅行や食なのか。うわべだけじゃない、知性の奥深さによって、その人の魅力の深さが増し人間としての魅力を感じます。
「この人ともっと話したい」と思われるような人間力がもの凄く評価されます。
なので、教養を深める事をとても大切にしています。
そして、教養があると品格が生まれ、その品格がひとつひとつの行動にエレガンスさを与えてくれます。
レストランやカフェで女性同士が集まる際も、他人の目を忘れておしゃべりに没頭してうるさくなる事も無いし、電車の中でも他人に気を遣い、自分の荷物が邪魔にならぬよう配慮したり、人とぶつかってしまった際にも笑顔で対応したり。
電車の中で携帯ゲームに没頭し、うつむき首の若者の隣で、背筋がピシっと伸び、脚を閉じて本を読んでいる大人の女性。
その佇まいと表情にハッとする事があります。
教養と知性が品格をもたらし、その品格が全ての所作に現れる。
セクシーさを自ら求めて、ボディーラインのはっきりわかる露出多めの服を着るのでは無く、シックなパンツに白いシャツ一枚でも、そこに内面から溢れ出る品格が滲み出て、そこにその女性のもった美しさが反映され、セクシーさを感じてしまいます。
3、自分自身をよく知っている(研究している)
様々な人種が混在するフランスでは、一つの美のお手本への執着が無いように思います。
それ故、自分なりの美しさを求める傾向があり、「自分がどうやったら綺麗に見えるか」をよく熟知しています。
宗教も違えば肌の色も様々。そこには「美の多様性」があります。
アフリカ系のボリュームのある体系の人、そのハリのあるヒップラインとポッテリしたセクシーな唇。
色素が薄くて髪の毛も白に近い金色、瞳の色も薄いブルーグレーの繊細な顔立ち。
中東系の目鼻立ちのしっかりして、彫刻のような顔立ち。
スラっとした長身の中国系女性の髪の綺麗さと肌の美しさ。
パパっと結ぶだけで様になるようなくせ毛と絶妙なハイライトカラーの髪を持つ女性。
もう、それぞれなんですよね。
なので、自分の肌の色、髪の質、骨格、体形、文化に合った美のベストを目指すしかありません。
それ故、自分がどうやったら綺麗に見えるのかという視点で髪型、メイク、ファッションを楽しみます。
ブティックの試着室では、必ず試着をし、特に後ろ姿を確認し、歩く姿を確認し、自分に合ったデザインなのか、カラーは自分を引き立たせてくれるものか、を熱心に研究しています。
化粧品店でも、様々な人種に対応出来るようにカラーバリエーションがかなり多く有り、スタッフがその人に合ったメイクの仕方やカラー等をアドバイスしてくれます。
美の多様性を皆が理解しており、おのおの、自分のベストを熱心に研究しています。
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美しさとは一体何なのか?
以前、デパートのトイレで、個室から出てきた私は、手を洗う鏡の前に居た金髪でとても小綺麗な50代ぐらいのマダムに釘付けになってしまいました。
「う、美しい・・・」
自分に持っていないものを全て持っているという感じでした。とにかく、その金髪なのか、白髪なのか分からないけれど、綺麗に整った夜会巻きの後ろ姿に圧倒されてしまいました。
出来る限り見ないように、そのマダムの隣で手を洗っている私に、マダムが声を掛けてきました。
「あなたの髪の毛とてもハリがあってゴージャスで、素敵だわ。羨ましい。」と。
衝撃~~~~!!!!
元々くせ毛で広がりやすい私の髪の毛、そのままボリューム満点の状態でただ下していました。
マダムは続けます。「私もあなたの髪のようにボリュームと艶が欲しいわ」
「ボサボサで困っているんです。ちゃんとまとまらなくて。私はあなたの細くて繊細な髪が好きです。」
「私の髪は細いから、そのまま下せないのよ。まとめるしかないのよ。ウフフ。ではまたね。」とマダムが去っていきました。
その時は理解出来なかったのですが、フランス人の髪の毛はアジア人の髪の毛の3分の1の細さらしい。だから薄毛で悩んだり、ボリュームを出す為に色々ケアをしているんですよね。すぐペッタンコになっちゃう。
私が以前、まとまり感が欲しくて購入したオイルは、実はボリュームを出す為のオイルだった事が判明。
フランスのシャンプーコーナーでもボリュームを出したい人用のヘアケア商品が多くあります。
そういう事か。
そうやって海外で生活をしていると、日本人のどういう所が羨ましがられているかも分かってきます。
自分の持っているカードでの戦い方が分かってくるようになりました。
若い頃は、自分では顔に彫りが全く無く、のっぺりした感じが嫌だったのですが、日本人以外からは彫りが無い分、クマやシワが目立ちにくいから羨ましいとなるのです。
彼女たちは若い頃からクマやシワと戦っているのです。歳を重ねると魔女のようになるからと必死です。
目の細さも、化粧の仕方で「クール」となる。
皮膚の質も違うので、アジア人のシワの無い、ハリのある肌質は羨ましがられます。
そして、何といっても、艶のある、ハリのある黒髪は皆の憧れなんですよね。
皆、髪が生まれつきクルクルが多く、ストレートに強い憧れがあります。
フランスでカールタイプのへアアイロンを探していると、なかなか見つからない。市場で出回っているのは、ストレートアイロンが主流だったりします。また、アフリカ系のクリクリ髪の方もよく縮毛矯正をしていたり、ウイッグで黒髪ロングを実現させています。
あ、私たちが無造作を求めてパーマをかけたり、ダンスをするからと一生懸命ストレートの髪をアフロにさせて編み込んでコーンロウにしている一方で、彼女らはストレートを目指す。
なんだ。そういう事か。皆、無いものねだりですよね。
そして、取り繕った美しさはどこか不自然なんですよね。全体のバランスがおかしくなる。
「自分の持っているものを活かす」これに尽きます。
自分自身を知り、受け入れ、それを活かす考え方が「美」に繋がるのではないかと最近考えています。
それを実践している女性がフランスには多いような気がします。無理をせず、自然体に、でも自分のアピールポイントはしっかりアピールする。
きっとその自信の表れが外見にも表れるのでしょう。