「フランス的ファッション感覚」はやはり日本と異なると体感した日

フランスのファッション感覚 フランスから見える景色

ファッション大国と呼ばれるフランス。

私が初めてフランスに移住した、冬真っただ中の2月は、曇り空で芯から冷えるような寒さで、街並みもファッションもモノトーンでした。

女性も男性も、なんだか皆、黒いアウターばかり来て、なんだかとてもシンプル過ぎて、

「これがお洒落の国、フランスなのか?」

「日本人の方が圧倒的にオシャレに気を遣っているなあ」と始めはそういう印象だったパリ。

ところが、数か月経つ頃に徐々にフランス流のファッションの本質が見えてきました。

「同じような服装をしているのに、皆個性的で美しい。」

フランスのオートクチュール文化

フランスにはオートクチュールの文化があり、デザイナーがデザインしたものを顧客の身体に合わせて仕立てて売るというスタイルが今でも体系だって存在しています。

それ故、「洋服は自分の体形・体格に合ったものを着る」という事が大前提にあるような気がします。

周りをよくよく見渡してみると、ハイブランドを身にまとっているのは一部の有名人やファッション業界の人で、一般的にブランド物の鞄や時計、流行りの服を身に着けている人は少ないように感じます。

シーズン毎に変わる流行りの服を買いに走る事は無く、自分のお気に入りの自分に似合う服を年々も大事に着込み、着まわしている人がとても多い印象です。

そこで重要なのは、その服は「自分に似合うか」という事なのです。

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フランスのアパレル店員の存在

以前、私は買い物で訪れたセレクトショップで、一目見てビビッときた好みのデニムを発見し、早速試着をする事にしました。

おお~何度見ても可愛い。こういうデニムが欲しかった。よし買っちゃおうかな~。

と鏡の前でそんな事を考えていた私に、店員さんは

「あ~これは貴方のサイズでは無いわね。大きすぎるからコレは駄目だね。」そういうと店員さんは他の方の接客に。

あまりにも衝撃過ぎて言葉を失いました。

大きすぎるから駄目? どういう事だ?

私は「買わない」と言っていないにも関わらず、もはや、当たり前のようにそのデニムを片付け始める。

結局そのデニムは売ってくれなかったのです。

後に分かった事だけど、こういう光景は日常茶飯事なんですよね。

洋服屋の販売員はプロとしてお客さんと対等に接してアドバイスをする役割に徹底していて、そしてサイズ感をとても重要視しているんですよね。

要は、「その人のサイズに合っているか」「その人に似合うか否か」「その人の個性を引き出せるか」という事に尽きる。

そうか、フランス人のファッションが個性的で美しいのは、「自分に合った服を着ているからだ」

フランスの服に対する意識とは

私の旦那は、フランスのハイブランドで10年近く働いています。

一緒に買い物に行った際、ズボンを試着した私を一瞬見て、「このラインにシワが入っているから少し大きい。歩いた時にお尻側の生地が余ってシワが寄って美しくない。」と。

どうやらカット(形)が私に合わないらしい。

言われるがままに別のカットのズボンを試着した自分の後ろ姿を見てハッとしました。

歩いた時の後ろ姿が美しく見える。これが私にピッタリのカットとサイズなんだろう。

歩いた姿なんて気にしたこと無かったな~。

私は「服」を見ていて、

私の旦那は「服を着た私」を見ていたんだなと。

この違い。

旦那は職場で、その人の骨格や筋肉の付き方、肌の色や歩き方の癖、靴とのバランス、宗教やドレスコード等を見て、スーツを選び針を打ってお直しをし、その人の魅力を最大限生かせるベストな状態に仕上げている。

話を聞いていると実に奥深い世界だなと感じました。

たまに来る、日本人観光客のお客様からの質問はもっぱら「今、流行っている服はどれですか?」「ここでしか買えない限定品はありますか?」

一方、現地の方が彼にする質問は「このカット(形)はお直しが必要ですか?」で、裾や肩のサイズ感をしっかり確認するらしい。

日本人の色彩感覚世界最高説

日本には着物という素晴らしい文化があります。

着物の場合は、定まった大きさの着物と、帯との調和を楽しむもののようにみえます。

だから、日本人はカラー×カラーを合わせるのに長けている気がするし、カラーでバランスを取る事も上手だなと、フランスに来て改めて気が付きました。

帯と抜群に色の調和の取れた着物姿はハッとする程美しい。

桜色、灰桜色、若草色、灰汁色、藍色、柳色。

自然の色をこんなにも繊細に識別するなんて、なんて高度な文化なんだ!!

虹は日本では7色で表すけれど、フランスでは5色の場合が多いし、モンゴルでは3色と言われているらしい。

私は密かに、日本人の色彩感覚世界最高説を唱えています(笑)

自分に似合った服を着る事が美しいというフランスの価値観は、結局、個性を表現する事に価値を見出していて、「その人らしさ」が美しく見えるんだなと改めて体感しています。

日本人の色彩感覚で、自分に合った服装を身にまとった時は世界最高のものが出来るんじゃないか・・なんて考えたり。

こうなってくると、日本の伝統色を持つ着物をもっと世界に知らしめたいな。

ファッション大国フランスに対抗して、着物美の日本。

日本人的感覚の着物を唯一無二だと確信している今日この頃です。