フランスで皮膚疾患が見つかり、自己免疫疾患と診断されるまでの道のりとして、主治医(一般医)に依頼して膠原病の疑いの為の血液検査を依頼した際の内容を記します。
この血液検査の内容も、聞いた事の無い単語ばかりで一体ドクターが何を言っているのかが分からず一苦労。
ネットで細かく調べるのに長時間かかってしまいました。
覚書も含め、血液検査時のフランス語をまとめます。
手の紅斑と唇の腫れや赤みの原因究明の為の血液検査
あまり積極的では無かった主治医に、懇願して検査を頼み込んで書いてもらった血液検査の内容。
結果は大きく分けて5つの項目に分かれていました。
- Hematologie (一般的な血液検査)
- Biochimie sanguine (血液生化学・炎症マーカーとして使われる)
- Serologie (免疫学)
- Immuno-Allergologie (アレルギー検査)
- そして自己免疫疾患maladies auto-immunesの全身エリテマトーデスの為の特別な検査
1.Hematologie (一般的な血液検査)
HEMATIES・・・赤血球
Hématocrite・・・ヘマトクリット
Hémoglobine・・・ヘモグロビン
T.C.M.H・・・・・平均赤血球ヘモグロビン量
C.C.M.H・・・・・平均赤血球ヘモグロビン濃度
V.G.M・・・・・・平均赤血球容量
LEUCOCYTES・・・白血球
Polynucéaire neutrophiles・・好中球
Polynucéaire ésinophiles・・・好酸球
Polynucéaire basophiles・・・好塩基球
Lymphocytes・・・・・・・・リンパ球
Monocytes・・・・・・・・・単球
PLAQUETTES・・・・・・・・白血球
VITESSE DE SEDIMENTATION 赤血球沈降速度
この時の異常はリンパ球の数値が1.44と、少し低い程度でした。
そして沈降速度は1時間17mm、2時間目が40mm
2、BIOCHIMIE SANGUINE (血液生化学検査)
これはいわゆる炎症マーカーと呼ばれるもので、どのぐらい炎症があるかの検査です。
CRP(PROTEINE C REACTIVE)・・・C反応性蛋白
ELECTROPHORESE DES PROTEINES SERIQUES・・・タンパク質電気泳動
3、SEROLOGIE (免疫学検査)
FACTEUR RHUMATOIDE・・・リウマトイド因子
これも基準値内。
4、IMMUNO-ALLERGOLOGIE (アレルギー反応検査)
この検査では私の場合は3種類のアレルゲンを調べてもらいました。
TROPHATOP FX5 卵・牛乳・ピーナツ・魚・大豆・小麦
TROPHATOP FX24 ヘーゼルナッツ・エビ・キウイ・バナナ
TROPHATOP FX25 ゴマ・ビール酵母・ニンニク・セロリ
唇が腫れたり、赤みがあり荒れている状態が3か月も続いたので、ずっと食べ物のアレルギーも関与していると思っていましたが、結果は全てNEGATIVE。
5、自己免疫疾患maladies auto-immunesの検査
これが、私が調べてほしかった項目の検査。全身エリテマトーデスの症状に似ていると言われたので、検査して欲しいと伝えると、主治医がその中からこの4つの抗体を選択して検査しました。
AUTO-ANTICORPS ANTI-NUCLEAIRES ・・・抗核抗体
AUTO-ANTICORPS IgG ANTI-ADN NATIF・・・抗DNA抗体
AUTO-ANTICORPS ANTI-ANTIGENES NUCLEAIRES SOLUBLES (ENA DEPISTAGE) 可溶性核抗原
AUTO-ANTICORPS ANTI-ADN SIMPLE BRIN ・・・・抗DNA抗体
AUTO-ANTICORPS ANTI-NUCLEAIRES (抗核抗体)について
抗核抗体とは自分自身の体を構成する細胞の核に対する抗体(自己抗体)で、膠原病の診断を進める際の最も基本的なスクリーニング検査。
この血液検査では、血液を薄めた状態で、自分の抗核に反応するかどうかの検査で、この結果は40倍、80倍、160倍、320倍という倍数の数値で表されます。
要は40倍に薄めても抗体に反応するのか、80倍に薄めたら・・・という検査方法。
健康でも陽性となる人が抗体価が40倍(血液の40倍希釈で)陽性で10~30%、80倍で10~15%、160倍で5%いるため、陽性だから必ず病気とはなりません。
40倍以下は陰性、40倍から80倍では症状や他の検査所見などを含めて検討し、評価します。抗体価の高い場合(160倍以上)には、更に詳しく二次スクリーニング検査(二重免疫拡散法、固相化酵素抗体法(ELISA)、免疫ブロット法、免疫沈降法)を行ないます。 慶應義塾大学医学部 リウマチ・膠原病内科HPから引用
私はと言うと、320倍のMoucheté (speckled型・斑紋型)という結果でした。
これは完全にクロ。二次スクリーニング検査が必要という状態です。
全身エリテマトーデスの抗体であるAUTO-ANTICORPS IgG ANTI-ADN NATIFが様子見(taux limite)で、残りの2つの抗体検査はNEGATIVEという感じでした。
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血液検査の結果を持って主治医に行った結果
血液検査の結果が出るのが、まあ時間がかかる事。結果を夕方受け取り、翌日結果を勉強しないまま主治医を受診しました。
血液検査を見て、私の手の写真画像も見て、それで彼が言ったのは
「冷たい水を触ってしもやけじゃないか?」と。
「温めて保湿をして様子を見た方が良い。」
「こんなに指の皮膚疾患の様子がおかしいのに、この結果から、リウマチ科には行かなくても良いのですか?」との私の問いにも、「行かなくても良い。気になるなら、この結果をもって皮膚科医に行きなさい。」という結論でした。
マジか。
家に帰ってから、この血液検査の結果を色々調べ進めていく内に、やはり抗核抗体が320倍はおかしい。日本ならばとっくに二次検査をしているレベル。
そして、赤血球沈降速度も少し早い方(炎症気味)、指の第一関節の赤み、膨らみ、凍傷的症状、レイノー現象、疲労感等の、膠原病の症状がこんなに揃っているのに、しもやけとは・・・。
駄目だ。直接リウマチ科を当たるしかない。
主治医の紹介だと、その紹介してもらった専門医の診察費も少し安く抑える事が出来るのに、しかもリウマチ医で良いのか、他のドクターが良いのか等の情報も無いのに・・・。
自力で何とかするしかない。
後に、近所のママ友に愚痴って「主治医変えようかなと思っている」と話をしたら、「どこの主治医も一緒だよ。こんなもんだよ。」と言われました。
確かに、色んなママ友に良い医者を訊くも、皆納得のいく人に会っていないようだし。
確かに今の主治医は家から3分だし、予約も取りやすい。フランスだから致し方ないのか。
まあ、自分の身体だから能動的に動こうと心に決めた日となりました。