日本に居た時は、「日本は環境に気を遣っている国だ」と信じてやまなかったのですが、いざフランスで生活してみると、日本という国はゴミや環境への関心が薄い方なのかもしれないと感じる事が多い。
フランスに来て驚いた事の一つは、パン屋でパンを購入すると、紙袋に入れる事もありますが、基本紙でぐるっと商品を巻き付けるだけで、ほぼ裸状態で渡されるという事です。
よくフランスをイメージした時に出てくる「鞄から飛び出たフランスパン」(バゲッドですね)、あれは本当にあのままの裸の状態で、
手持ち部分だけ紙で包み、ほぼむき出しの状態で渡されるので、そのむき出し状態のバゲッドを手に持っての移動となります。
エクレアやタルト等のケーキ類も一枚の紙で器用に立体的に包みます。
一つ一つビニール袋に入れるという事は皆無で、複数のパンを購入しても、紙の袋にドサーっと全種類まとめて入れて終了です。


紙で包まれただけのクロワッサン
移住して最初の頃は「雑だな~」とか、「お客視点では無いな~。」と感じていたのですが、数年経つとこれで事足りる事に気が付きます。
別に不便ではないし、「自分で簡単に我慢できるレベル」だと気が付くことになりました。
そうすると、徐々に日本の包装が過剰だと思うようになってきました。
日本はお客様視点になるが故に過剰なゴミが出ている。そう感じています。
あと、最近気になる事があって、「我が家で出すゴミの量が多いのではないか。」という事。
ここ数年は全くゴミについて意識していなかったな~。どうにかゴミを減らす工夫をしなくては。
一方で、フランスの場合は粗大ごみを捨てるのも無料だし、ゴミ袋は有料の指定ゴミ袋では無いので、基本どの袋に入れても良い。
そうなるとゴミを捨てる行為が簡単で捨てるハードルも下がってしまう気がしています。
小さい事かもしれないけれど、こうやって制度が少し違うだけで、ゴミに対する意識や行動って変わるものなのかなと感じています。
自分が出来る範囲の事でまず始めたのがこちらの3つ。
- プラスチック製品を出来る限り減らす
- 余分なもの(過剰な包装やビニール袋等)を意識して減らす
- 正当な価格で正当な場所から購入する
1,プラスチック製品を可能な限り減らす
まず、一つ目のプラスチックについて。
生理ナプキンのプラスチックゴミについて知り、これではいかないと自分が出来る範囲でプラスチックを減らす事を目標としています。
生理ナプキンのプラスチックの分解には500年かかると言われているらしい。
生理ナプキンのプラスチックゴミについて、書いた記事はこちら
一時期、家の収納を使いやすいように調整するのに凝っていた時期があり、やはり機能的な無印のプラスチック容器を多数購入していました。
そして、ベビー用品や子ども用の食器も、IKEAなどのプラスチック製のものを好んで購入していました。
でも、実際に使っていく内に色々と気が付く事もあります。まず、必ず劣化する。
間違えて熱に触れると、嗅いではいけない強烈なニオイがする。
これは子どもの為にも、自分自身の為にも、持続可能な社会の為にも早めに卒業するべきだと直感が働きました。
まず、子ども視点だと、プラスチック製の食器だと落ちても割れないので、単純に、お皿を扱うという動作が適当になっているように感じる事が多くなりました。
確かに1歳~2歳頃はお皿をひっくり返す事がよくあるので、母親の精神衛生上もプラスチックでも良いと思います。
ただ、2歳頃から明らかに食器というものを理解してきた段階に、プラスチックだと間違って落としてしまっても割れないので、実際食器を落としてしまった衝撃がやんわりとなってしまう気がしました。
「プラスチックだから壊れなかったけど」と子どもに説明している際にハッとしました。
それは親も一緒で、お気に入りのとても大事なお皿は丁寧に扱う。
でも、プラスチックだとやはりぞんざいな扱いをしてしまっている自分がいました。
食事を盛りつける時の感覚、それを目で見た時に感じるもの、子どももちゃんとした木のぬくもりのスプーンや小さなものでもちゃんとすくう事の出来るステンレスのスプーンとそれを口に入れた時の感触。
食べ物の入った陶器のお皿が落ちて割れた時のあの衝撃。
その後の片づけに至るまで。
これを全て含めて親が伝えるべきものなのかもしれないと。
なので、今の目標は「プラスチック減」。
今まで購入したものは仕方ないけれど、これから購入するものは、妥協しないでお気に入りの物を買い、永く生涯大切に扱おうと、
そして少しでも環境に優しいものに変えようという考えに至りました。
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2,余分なもの(過剰な包装やビニール袋等)を意識して減らす
日本に帰る際に、友人に渡す為に購入するフランスのお土産について思う事があります。
フランスだと基本、包装なんてしてくれないし、箱にも入っていなければ、紙袋に入れてもらえるわけでも無い。
フランスで生活をしていると、パッケージ無し、袋に入っていない、紙袋に入れてもらわない事に慣れているのですが、いざ日本に行きお土産を渡す時に、少し違和感を覚える瞬間があります。
包装もされておらず、紙袋も無いので、そのままの「素」の状態でお土産を渡す事になります。
ちゃんと包まれていないと変な感じかな?と。
まあ、私の家族や友人達はそういう事を気にしないだろうからと思い直しましたが。
あと、もう一つのエピソードとして、私は以前パリにあるパン屋で働いていましたが、そこは日本風のパンを日本風スタイルで販売していました。
あんパンをまず、プラスチックのビニール袋に入れて、そのビニールに入ったパンをまた手持ち用ビニール袋に入れてと、2重に袋に入れて渡すといった流れでした。
すると、多くのフランス人は「そのビニールは要らない」と、買ったパンを手に握りしめて帰っていく事が多くありました。
「それは過剰だよ」と言われた時もありました。
ですよね~~~~~と今の私ならば思います。
が、その時は移住して1年目だったので日本風のサービスを当たり前にしていました。
私は最近、買い物時に必ずコットンのエコバッグを持参して、余分なビニールを使わないようにしています。
なのでスーパーでも、薬局でも、パン屋でも、洋服屋でも、袋は必要ないと伝えて、自前のバッグに入れるようにしています。
これは、私が簡単に出来る事の一つなので、意識して行動しています。



3,正当な価格で正当な場所から購入する
そして、これはとても大事な事。正当な価格なのかを考え巡らせる事。
学生時代にフェアトレードを普及させる活動をしていたのですが、学べば学ぶほど、自分の消費行動を考えなくてはと思いました。
フェアトレードとは?→ fairtrade japan 公式サイト
私は可能な範囲で、このフェアトレードのマークを確認して商品を購入するようにしています。
この輪がもっと世界に広がりますように。
そして、昔はよく利用していたダ〇ソーなどの100均ショップ。
最近よくよく考えると、あのクオリティや原料であの金額はやはりおかしい。
どこかにしわ寄せが来ているに違いないと考えるようになりました。
100円で提供出来る商品だと、まず原料はいくら?その原料って安全なの?
どう加工してるの?加工している場所はどう運営しているの?その加工している人達の賃料は?安全で適切な処理をしている?
デザインが決定して商品になるまでの工程はそんなに単純なものでは無いはず。
資本も人件費もアイディアもなにもかも、ちゃんとした対価で支払われているのか不安しかない。
なので、身元がクリアで信頼出来る会社から品質に見合った価格で購入する事をモットーにしています。
38歳になり、最近考える事は、そろそろ世の中の為にちゃんと行動しなきゃという大人の自覚が出ていた事。
自分では気持ちはまだ20歳なので(笑)、若いつもりでいましたが、社会で活躍している人達が自分より年下になり、社会の流れでみると、いい大人。
高校生の時に捉えた「38歳」はだいぶおばさんだった気がする(笑)。
私は歳を重ねた今の方が人生が楽しいし、ベストな状態な気がしています。
ですが、もういい加減甘えていたら駄目な歳という事を自覚してきました。
「次の世代の為に我々が立ち上がらないといけないな。」なんて大きな事言ってみたり。あははっ。


