今回は私が4年間通ったフランスで日本語が通じる歯科医、DR JEAN-PAUL MULLER(ジャンポール ミュラー歯科医院)について、体験談をお伝えしたいと思います。
私の通院歴は「2年間パリのCENTRE MEDICAL&DENTAIRE OPERA」→「4年半ミュラー先生+フランス人インプラント医」→「現在、谷村レミー医」という流れです。
私は2010年にフランスに移住してきて、かれこれ9年間は歯科医にお世話になっていますが、近所の歯科医を含めると上記の他にも5か所の歯科医を経験しています。
最初の2年間は歯科医難民になり、様々な歯科医を受診しては納得がいかず、また違う歯科医を探しととても苦労しました。しかも、SOS Dentaireで勝手に抜歯されたり・・・・
過去の失敗歯医者の記事はこちら→
その中でも一番通院期間が長くお世話になったミュラー先生について、日本語が本当に通じるのか? 腕はどうなの? 治療費はいくらぐらい?そして、どういう治療をしてきたかを具体的にまとめてみたいと思います。
- 歯医者での言葉の壁は死活問題!
- フランス語?日本語が通じるとは?
- 治療の内容と腕は?
- 治療費や保険は?
歯医者での言葉の壁は死活問題!
私は移住後2年間、様々なフランスの歯科医を彷徨いましたが、その際は日本の感覚のように直ぐに予約が取れる歯科医に行き、中々納得のいく歯科医に巡り合えずにいました。
治療の為に親切な説明をしてくれる所なんてほぼ無く、聞いても専門用語で分からず・・・という事で言葉の壁があり、かなりのストレスがありました。
そして治療方法も、日本のそれとは違い、クラウンを付ける際も噛み合わせを調節する事なく、私はただ、口を開けて治療をされているだけなので、何が行われているのかわらず、治療後に隣の自前の歯と異なった色味の、噛み合わせがガタガタなクラウンをつけられる始末でした。
移住5年を過ぎ、近所にママ友なんかが出来てくると、皆、数か月前から歯医者の予約を取っている事が判明しました。腕の良い歯医者は3か月待ちは当たり前だとその時に知りました。
そして、一度そのドクターを受診すれば、次回からは緊急の場合は優先して早めに予約が取れるという状態になるのです
皆、家族間や友人間で腕の良いドクター情報を共有しており、新規の予約を受け付けない所も多いのが現状です。
そこで藁にも縋る想いで出会ったのがジャンポール・ミュラー先生でした。
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ミュラー先生は日本語が通じるのか?
ジャンポール・ミュラー先生はフランスの方で基本はフランス語でのコミュニケーションとなりますが、奥様が日本人で、奥様が日本語で通訳してくれる。という環境です。
初回は、まず奥様が日本語でしっかり情報をまとめて、旦那さんであるミュラー医に繋いでくれました。
基本はミュラー医がフランス語で治療し、必要があれば奥様が治療室に入ってきて通訳してくれるといった形です。
言葉が通じる安心感!しかも治療内容も日本のそれとあまり変わらない安定感。
治療の初日はとても嬉しかったのを覚えています。
そして、この奥様は非常に気さくで陽気で、治療後は必ず美味しいお茶やお菓子を出して頂き、世間話をしたりでとてもウェルカムな感じ。
私は約4年の付き合いがあるので、奥様のおススメDVDを貸して頂いたり、美味しい食パンやお茶や野菜をお裾分けしてもらったりと、とてもお世話になりました。
ミュラー医は少し見た目が堅物そうなイメージがありますが、基本は優しくて、でも、柔軟性には欠けます。
(笑)たまに治療中に私との通訳を介して喧嘩をしたりします。
私の立場に立って、治療方針や内容を明確にさせたい奥様に、無骨なミュラー医がイライラするといった構図です。
奥様は在仏日本大使館に勤務した経験もあり、とても聡明でこちらの痒い所にも手の届くような通訳をしてくれます。
このミュラー医が保てているのは半分は奥様の力だなと私は思っています(笑)
予約は基本自宅兼クリニックと、奥様の携帯(日本語)の2つあり、私は奥様の携帯へ直接連絡を入れて予約を入れていました。
クリニックの番号はミュラー先生が取る場合も多いのでフランス語対応を考えて良いと思います。
治療内容や腕は良いの?
これは、様々な歯科医を巡った私から言わせてもらうと、「昭和の腕の良い歯科医」といった印象です。
治療方法は、私が小さい頃日本で受けた事のある内容とほぼ同じなので、口を開けて治療してもらっている間も、「あ、今は神経の深さを計っているな」とか「噛み合わせを合わせてくれている」と分かる内容です。
昔ながらの方法で、でも丁寧に治療してくれます。
例えば歯のクリーニングの際は、研磨剤(重曹)の入ったスプレーを吹きかけながら磨く方法なので、治療後は顔回りが粉粉した状態になります(笑)
ただ、しつこいようですが最先端の治療法ではないので、そこだけ胸に止めて行って下さい。
私は主に過去の失敗歯医者で入れたクラウンが欠けた際の治療をメインに、根管治療、神経を取ってクラウンを被せた歯が欠けた際の抜歯、奥歯の抜歯、そしてミュラー医と連携している若いフランス人女性のインプラント医との連携治療を経験した事があります。
約4年半の間に様々な治療をしてきたので、詳しい内容については次回別の記事でまとめていきたいと思います。
いずれにせよ、私の個人的な意見で言うと、
基本的にはちゃんとしていて丁寧な治療。
一人に対して1時間の時間を取ってくれる。
ただ、堅物で無骨なので、治療内容等を丁寧に伝えるといった感じではない。(が、これは奥様に事前に話しておくとちゃんと日本語で説明を受けられます)
そして治療法が昔ながら。 それでもちゃんと治療してくれるのは確かです。
あと、奥様は少し癖の強さも感じますが、本当に聡明で、信頼出来る方です。
治療法についての小さな疑問でも、フランス的感覚のミュラー医との間にたって、こちらの立場で明確にしてくれます。
私の知り合いでも、「痛い歯を見せたら抜歯を薦められたからもう行かない」と言っていた方もいましたが、そういうなんだか納得のいかない事はちゃんと何故抜く必要があるのか等の理由を確認した方が良いと思います。
抜歯をしないと根管に膿が溜まっていて、その他の歯にも影響を及ぼす恐れがあるから出来る限り早く抜歯した方が良いなど、ちゃんと理由があるはずです。
私は基本的に確認をしていますが、全て納得のいく説明を受けています。
治療費や保険はカバー出来る?
ミュラー医の場合の大まかな治療費はこちら(※2018年の時点で)
- 子どもの定期健診は30€
- 大人の歯科検診や掃除 30€
- 基本の診察や普通の小さな治療 40€
- 少し複雑な治療 ~80€
- クラウンを被せる場合 クラウンのみ750€(セキュでの払い戻し金額75.25€)=675€(ここからミチュエルで払い戻しがあるかはミチュエル次第)
支払いは現金・小切手・カードの支払いが可能で、基本的に全額支払った後にfeuille de soin bucco-dentairesをもらい、セキュに申請し、払い戻しを受ける方式となっています。
我らはfeuille de soin bucco-dentairesをセキュに、そして支払い領収書をミチュエルに送付し払い戻しを受けています。
過去の情報なので、最新情報は確認して下さいね。
最後に、ミュラー先生は決して最先端の治療法ではありません。
そして、審美歯科ではないので、インプラントやクラウン、全体の噛み合わせ等の調整は正直、谷村レミー先生の方が技術が高いなと思います。
しかし、昔ながらの方法で丁寧に仕事をしてくれる良い先生です。
ミュラー先生の言葉足らずの所は、奥様とのコミュニケーションで十分に補えると思います。
定期健診や簡単な治療の場合、そして子どもの検診は、治療費も安いですし良いのではないかと思います。
特に、子どもの診察の後は、小さなおまけ(面白消しゴム等)のプレゼントがあるので子どもも喜びます。
歯科医選びは是非是非慎重に、そして不明な点は必ず確認をしてから治療を進めて下さいね♪