フランス滞在時のチップ問題。移住当初はレストランの格や種類の感覚が分かりづらかった為、チップの感覚が掴めなかった過去があります。
そういった20代からもうすぐ40歳に手の届く年頃。それぞれのお店の形態によって、支払うべきチップの相場のようなものが分かってきました。
カフェ・ブラッセリー・ビストロ・星のつくレストランの違いと、それぞれのチップの相場を、在住歴10年の私が実感している事を主観でお伝えしたいと思います。
「チップをスマートに払えるような大人になる事。」を目指して・・・・。
フランスのこれらのお食事処の呼び名の違いについて、正式な違いや背景等はちゃんとした情報を確認してもらうとして、体感としては、近年のフランスはその境界線が曖昧ですよね。
看板にブラッセリー・ビストロと2つ書いてあったり、ブラッスリー・レストラン・ビストロと3つの表記をしていたり(欲張りな(笑))
●カフェ 喫茶店~軽食 気軽に休憩出来る場所
これはきっと日本の感覚と一緒。コーヒーから軽食まで。日本でいう古くからある喫茶店。近年増えたお洒落カフェ。
気軽に入り、エスプレッソならカウンターで1.2€~、テラスでエスプレッソ2€~の所から観光地ではエスプレッソ2.5€、カフェクレーム5~6€。
食事はフリット(ポテトフライ)やオリーヴしか置いていない所から、1プレート10€~15€でランチメニューがあったり。
私は1人で食事をする時や友達とランチの際はこの形態が多いですね。前菜+メインのプレート、もしくはプレート+デザート、ドリンクをつけても20€で収まる感じ。
若者の日頃のデートや日曜日のランチ、疲れた時のお茶休憩等で利用できる感じで、基本昼から夜まで空いていている所が多く、とりあえず「気軽」これに尽きます。
- 街角によくあるようなただのカフェでコーヒーを飲む場合→おつりの端数 0.20€~0.50€
- 軽く食事もする場合→1~3€
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●ブラッセリー お酒を飲みながらおつまみも 賑やかでOK
これは、カジュアルなBAR、酒屋、いわゆるバル的な雰囲気で、お酒が必ず置いてあります。
ご飯と一緒にお酒も楽しみたい。ランチとビール。ランチとワイン。食前酒とおつまみ。オリーブとワイン。フリットとワイン。そんな感覚で、居酒屋的な感覚ですかね。
食事もしっかりしているものも多いです。
メニューを渡された時に、ドリンクメニューが豊富な印象があります。
若者のグループもお酒を飲みながら居座ってもOKな雰囲気。多少うるさくても許される感じがします。
- ビールやワインを飲む→お釣りの端数0.50€~2€
- お酒と共におつまみや軽食 1€~3€
●ビストロ 普段使いの食堂~日本でいうところのレストラン
これは、いわゆる食事処。フランス人が家族や友人で普段使いに使う、食堂のような日本のレストランのような雰囲気。
キッチンにちゃんとしたシェフがいる感じです。でも、服装はカジュアルでも全く問題ないです。
お酒もカフェも置いてありますが、基本的にカフェだけ飲んで終わり、やビールを飲んでおつまみ程度でご飯を注文しないという事が許されない雰囲気があります。
最初からテーブルにクロスがあり、ナイフやフォーク等がセッティングしている印象です。
なので、ビストロと掲げている所では必ず食事をオーダーしないと失礼に当たります。
前菜・メイン・デザート全てしっかり食べ、お酒を飲みながらゆっくり2時間。
前菜・メイン・デザート・ワイン1杯で1人当たり30€~50€。
ここは、注文してから食事が出てくるまで多少の時間がかかるので、食事をパッと済ませたい人には不向きかな?どんなに早くても注文から会計まで40分~1時間はかかります。
そして、ランチとディナーの間に16時~18時までは閉まっている事が多いです。(仕込みの時間ですね)
- カジュアルな雰囲気で紙ナプキン→2€~5€
- 少し高級感のある雰囲気 布ナプキン→5€札
●レストラン いわゆる星のつくような高級レストラン
これは、日本で言う所のいわゆる「高級フレンチ」の感覚で、基本星がつくレストランを指す事が多いです。
このレストランの星がつく感覚は、日本でいう所の割烹や料亭の格の雰囲気に似ている気がします。
多少なりと服装に気を付けるべき場所となってきます。
紙袋をいっぱい引っ提げて、ベビーカー等を持っていく場所ではありません。
子どももあまり連れて行かないかな。
恋人同士のスペシャルなデート・夫婦の記念日やバレンタインのディナー・ビジネスマンの接待・中級~上級階級の食事処といった感じ。
私は渡仏の翌年に出産をしたので、星のつくレストランへ行く機会がほぼ無かったです。
レストラン 1つ星
ギリギリ子どもを連れていける場所 でもお行儀よくしつけておく必要があります。
でも、どちらかというと、場の雰囲気を壊すような立ち振る舞いはNGでしょうね。
なので、親としては気を使うので料理を楽しめない(笑)。出来る限り子どもは連れて行きたくありません。
レストラン 2つ星・3つ星
ここからは、私は行った事がありません(笑)なので未知の世界ですが、テレビ等の雰囲気・業界・本当のヨーロッパの階級社会を肌で感じての実感ですが。
ここからは食前酒やワイン等のアルコールも嗜む事が礼儀のような雰囲気。
テーブルマナー・ドレスコードも楽しむ意識が必要となりますね。ジャケットは必須でしょう。
最後に、フランスのチップ文化はつまるところ、社交性だと思います。相手に合わせる思いやりです。
よく、ガイドブックに載っているような支払金額の何%という考えでチップを渡すのではなく、そのレストランの雰囲気というか、環境を感じで金額は決めるべきだと思います。
これは、雰囲気を感じる能力です。
ギャルソンの服装の正装具合、立ち振る舞い、
我々の食事の為にどれだけの労力が注がれているかを敏感に感じます。
ワインの注ぎ方、お皿の置き方やタイミング、これらは全てその場の演出です。
その演出によって気分よく、より美味しく食事を頂くという社交を楽しみ、その価値の分だけチップを払う。
なので、私のようにアディダスのスニーカーを履いた3人の幼子を連れて3つ星のレストランの門をくぐる事は相手にとって失礼ですよね。
お金が払えるかどうかの問題では無くて、身の丈、環境に合わる。
私がいくらお金を持っていたとしても、マナー良く、雰囲気を楽しんでディナーをしている周りのお客様からしたら、私たちが入るだけであの子達、ちゃんと出来るかしら?子どもがうるさくならないかしら?
ギャルソン達もきっと気を揉むでしょう。
マナーの範囲内で社交を楽しむ場所にそぐわないならば最初から入ってはいけません。
それらを敏感に感じ取り、チップを、フランスを楽しんで欲しいと思います。
「チップを払えるような大人になる事。」
これはフランス社会で生きていく時に子ども達に是非教えたい事の一つであります♪
大前提で、チップはそもそも払うべきか?本音としては→