パリ観光でのショッピングは楽しみの一つですよね。
気持ちの良い接客をしてもらう為に現地在住者が意識しているちょっとしたコツを伝授します。
渡仏して最初の頃、パリのお洒落なファッションエリアへ買い物に行くと、お店に入る時に店員に全身を一通り見られた後、英語で接客を受ける事が多くありました。
そこでは少し見下されているような態度を取られる事も多々あり、見た目や立ち振る舞いで人間を区別、差別しているのは容易に理解出来ました。
数年経ち、フランスをより理解出来るようになった私が今ならわかる事は「お店への敬意が足りなかった」という事です。
日本で「お客様は神様」で育った私は、無意識の内に傲慢な態度を取っていた事に気がつきました。
フランスでは基本、店員とお客は全くの対等な立場です。
私が過去の嫌な思いの経験から、現在気をつけている事をまとめてみました。
これを気をつけるようになってからは常に気持ちの良いサービスを受けるようになりました。
- 挨拶は絶対!!
- 服装に気を配る
- 商品を触る前に触って良いか尋ねる
- レシートは必ず受け取る (おまけ)
①挨拶は絶対!!
お店に入る時、必ず挨拶をします。
フランスの挨拶をあなどることなかれ!この挨拶を忘れただけで、その後の対応が変わります。
挨拶が出来ない人=嫌な感じの観光客と見なされて、リピーターにならない一度きりの客と認識されます。
礼儀を重んじるフランスです、無礼な人というレッテルを貼られた時点で、相手からも無礼にされる。ぐらいに考えていた方が良いかもしれません。
相手に自分が入ってきた事を最善の形で伝えるのが大事です。
基本、スタッフ同士で話をしている事も多いので、「Bonjour. ボンジュール」とちゃんと相手に聞こえるように入っていくのがポイントです。
相手(お店のスタッフ)にちゃんと敬意をもつだけで、相手への伝わり方が、劇的に変わります。
何かこの人気持ちが良い。と思ってもらえると物事が上手く回りやすい気がします。
日常生活でも挨拶抜きでは生きていけません。
朝起きてから子どもを学校に送る通学路で知り合いに会う度にボンジュール、学校の先生にボンジュール、スーパーのレジでボンジュール、タクシーに乗ってボンジュール、見知らぬ人と目が合った時もボンジュールです。
仕事先では1人1人にボンジュール。
1日最低20回は挨拶しています。
「フランス挨拶絶対説」というのが私の中であります。
もちろん、店を出る際は 「Au revoir オゥ ホゥヴァア」を忘れずに。
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②服装に気を配る
フランスはTPOを重んじる国なので、公園、街中、レストラン、劇場等で服装が明らかに変わります。その場に合った服が尊重されます。
その店に合った服装をしているか相手(店側)の立場になって考えます。
店に入るのなら、まずは靴が汚れていないかチェックする。
もしくは最初からそれなりの靴を選択します。汚れて見える服や雨で服が濡れた日は最初からお店に入らない。
大きな鞄で迷惑をかけそうならば、邪魔にならぬよう持ち方を変える。
特にリュックや大きな紙袋など、並べてある商品を落としそうと「思われる」「不安にさせる」ような相手が嫌がる小さな事、心配にさせるような種を事前に摘み取っておきます。
あと、店内で傘を広げるのはマナー違反となっています。
傘置き場がある店は少ないです。必ず店の外で畳み、それを手提げ等の中に入れて店内に入ります。
傘を購入したいから、傘の柄を見たい!と傘を広げてもかなり白い目で見られます。
③商品を触る前に触って良いか尋ねる
お店の商品を見たい時には、必ず触って良いか訊ねるという事です。
日本と比べると、フランスではその辺りのマナーが厳しいように感じます。
特に高級品店では、必ず店員に「この商品を見てもいいですか?」と訊ねてから商品を触るようにします。
自分1人で色々見たい、ただ見ているだけの時は「Je veux juste regarder. ジュ・ブ・ジュスト・ルガデ」とちゃんと口に出すと相手も安心してほっといてくれます。
行動をちゃんと言葉に出して伝える事が大切です。
堅苦しさを感じるフランスのブティックですが、フランスでの買い物の醍醐味は、店員が色々とアドバイスをしてくれる所です。
店員とお客は対等な立場で、でも、そのブランドの洋服に関しては店員がプロですから、聞けば色々教えてくれます。
その際も日本と違うのは、洋服のコーディネートや色の合わせ方、流行を求めるのでは無く、
「いかにその人に合っているか」が最終ゴールのように感じます。
なので、「今年はこれが流行ります。」「私もこれ、持っています。使いやすいですよね。」というような会話は皆無です。
あなたのその体型や髪の色、肌の色に合わせて、この洋服のカットが合うか合わないか、後ろから見るとああだこうだと色々親身になって教えてくれます。
④レシートは必ず受け取る
フランスのショップでは基本大手のショップ、スーパー等どこでもセキュリティーの方が入り口に立っていて、そのお店のセキュリティーを守っています。
そして、ショップの商品には基本的に防犯ブザー等が付けられており、お店の出入り口のゲートを通る際に防犯ブザーを取り忘れているとブザーが反応し大きなサイレン音が鳴ります。
で、万引きを防ぐ為には良い方法ですが、フランスのショップ店員さんはよくコレを取り忘れる。そしてレジでお金を払って出る際にブザーが鳴り、セキュリティーに止められるという光景を良く目にします。
私自身この10年間に5,6回は体験していて、またレジに戻り、この防犯ブザーを取り外してもらう作業があります。
これがとても時間の無駄になるんです。そして、購入したことを証明するにはこの「レシート」しかありません。
よって、購入時にレジでチケットを必ず受け取り、もしも防犯ブザーの取り忘れでセキュリティに止められても、レシートを見せて、レジでブザーを外してもらい、事なきを得るという流れになります。
そして厄介なのが、買い物をしたお店で鳴るのはすぐ解決するので良いですが、この防犯ブザーを付けたままの商品をもってそのまま他の店で買い物を続けると、その店出入り口でも、もれなくブザーが鳴ります。
そして毎回万引きを疑われる事になります。周りの人の白い目・・・。
そこでレシートを見せると、「買った店に戻って取り外してもらいな」となります。
その際にレシートが無いと最悪の場合はそこで大モメとなります。どこでどうやって買って…等フランス語で相手を論破する以外にありません。
なので、レシートは必ず受け取りましょう。レジで渡されなかった場合は、「le ticket (de caisse)ルチケ、又はreçu,S’il vous plaît(レシュ シルブプレ」と言い要求します。
フランスではレシートが有ると、返品交換がスムーズなのでその点から見ても大事ですね。
以上がフランスで買い物をする際の大事なポイントです。
相手に敬意を持ち、考えは必ず口に出して表現する。
基本的に「自分がその立場でされて嫌な事はしない。」これに尽きます。
気持ちの良い対応を受けたければ、気持ちの良い人間になる必要がある。という事です。
人間だもの。そういうことでしょう。