海外生活が辛く「日本にいたらもっと上手くやっていただろうに」ばかり考えていた私が楽になった視点

何だか心が満たされずイライラしてしまう マインドセット

私は結婚を機にフランスに移住したのは29歳の時。

日本では好きな事を仕事にし、キャリアもまあまあ上手くいっていたのですが、日本人の彼と遠距離恋愛中だった私は、今後の自分の人生は彼の居る海外で・・・と夢見ていたものでした。

仕事先で仲良くさせてもらっていた方から、「東京の支社で働かないか」と誘いを受けたのもその頃。

こんな田舎の沖縄から、東京のオフィスという響きにも後ろ髪引かれながら、それでも海外で挑戦したい!という想いの方が強く、29歳に仕事を辞め、彼の居るフランスにやってきました。

始めの内は夢と希望で満ち溢れ、語学学校に通いながら仕事も見つけ、モチベーション高く過ごしてていたのですが、

第一子を出産する為に通っていた語学学校を辞めざるを得なくなり、仕事も辞め、パリ郊外の家に引越しをした頃から、だいぶ雲行きが怪しくなっていきました。

その頃は第二子がお腹の中に居て、つわりもきつかった為、長女と共に家にこもりきりの日々。

刺激のあったパリでの生活から一遍、友達も居ない、他に頼る人も居ない、少し暗めで居心地の悪いそのアパートで徐々に精神状態が病んでいきました。

あれが産後鬱なんでしょう。 (今ならわかります)

子どもが居るから自分のプライベートな時間が無い。

ずっと子どもとしか話していない。

化粧もしないし、お洒落もしていない。

何だか家の居心地も悪い。

フランス語がうまく話せない。

心を許しあえる友人がここには居ない。

様々な手続きも、フランス語がわからないせいで、旦那が居ないと何も出来ない。

仕事も出来ない。上手くいかない・・・

日本に居たら、あのキラキラした環境で楽しく過ごせただろうに。

日本に居たら、今頃東京でキャリアを築いていたかもしれない・・・・

そこからしばらく負の感情に支配されていたんですよね。

 

第二子出産後は、新しい少し大きな家にも引っ越しでき、少しずつ心に余裕が生まれてくるのですが、あの頃は本当に辛かった~。

産後鬱と、新境地でのストレスが重なったんでしょうね。

一番私を苦しめたのは、私のフランス語のレベルが低かった事。

フランス語のせいで、友達が作れない。

フランス語のせいで、様々な手続きが自分一人で出来ない。

家に郵便物が来ても、辞書を片手に読み込むのに時間がかかり、何が優先順位が高いのかがわからない。

次第に、旦那任せになっていったんですよね。お金や税金の事、学校の手続きなど全ての事が。

これが今考えると負のスパイラルにいく流れだったのですよね。

旦那が居ないと何も出来ない自分にまた自己嫌悪になり、どうしてもモチベーションが上がらない。

これが海外生活の一番の難題になる所なのでしょう。

自分は何でも出来る大人だと思っていたのに、自分一人では何も出来ていない感じが悔しいし、悲しいし、辛い。

そうやって「無いもの」に目を向け、出来ない事を数え、不幸の方へ意識を使っていたのです。

 

本来ならば、

昔から憧れのあった海外で生活出来ている。

健康で、結婚してパートナーが居る。

子どもも3人も授かり新しい家族がいる。

フランス語は少し話せるようになった。

食事や健康に気を遣えるようになった。

子どもとの時間をしっかり持てている。

と、感謝すべき事ばかりで、大切にするべき物ばかりなのに、なぜか「無いもの」を数え、自分を苦しめていたのです。

 

今、無いものに心奪われるのではなく、今、目の前に「あるもの」に意識を向けて感謝するべきだったんだなと、数年後にやっとで気が付く事が出来ました。

なんて傲慢になっていたんだろう。

日本に居た際に、社会的な立場があったせいで、周りの人間とその立場によって築き上げていた人間関係を、自分そのものと勘違いしていたのでしょう。

私の「社会的立場」によって、社会的立場の高い、社長や集団のトップ等と話す機会が多く、それをあたかも自分が偉くなったような気になって勘違いしていたんですよね、きっと。

そして、そのままの傲慢な気持ちでフランスに来たものだから、何もできない自分に嫌気がさし、それを他人や環境のせいにして苛立っていたのだと思います。

そしてその負の思考が、次々と負しか見えない心になってしまっていたのかな。

 

今までの人生、自分と真剣に向き合ってこなかったツケが今頃になって回ってきた感じです。

本当はね、今の自分が本当の自分なんですよね。環境のせいにして何も頑張らない自分。

自分自身をしっかり立て直さなきゃと、土台がぐらついていては積み上げられない。

そうやって自分と向き合う事の大切さを身に染みて体感しました。

LONDON POTTERYのティーポット kusumi tea

お金は「得られるものに焦点を合わせる」となんだか豊かに感じてくるという話

「今、目の前にある物に意識を向け、感謝する事。」

実は、今、一緒に居てくれる仲間やパートナーも、当たり前ではないのですよね。

地球上に何億人も居る中で、共に生きてくれている。

これって本当にありがたい話なんですよね。

自分が傲慢になっていたり、調子が良い時は気がつきにくいけれど、

相手の嫌な所が見えたりしてイライラする事もあるけれど、コレってお互い様。

相手も、私の嫌な部分も見えているわけで。

自分も、そして相手も良い時もあれば悪い時もある。

 

「今、目の前にある物に意識を向け、感謝する事。」

これが自分を変える為、思考を変える為の第一歩だと確信しています。

これが出来るようになってからは物事が上手く進むようになってきました。

過去を振り返っても、そうだった。

私が人生で上手くいっている時というのは、周りへの感謝があり、謙虚な気持ちや優しさがある時だったなと。

当たり前の単純な事なのに、すぐに忘れて傲慢になってしまうな。  怖い怖い(笑)

こういう考え方もあると分っているけれど、気を抜くとまたマイナス思考になっていたり・・・。

これが完全に自分の基本的な思考へ昇格するのに8年間ほどかかりました。

 

不満があったり、イライラしたり、悲しくなったりする時は、

「今、目の前の事を意識し、それに集中する」

そういう毎日の繰り返しが人生になるのかもしれない。と感じる40歳の春。

失敗続きの過去から「自己理解」が負から抜け出す手段だと悟った話

失敗続きの過去から「自己理解」が負から抜け出す手段だと悟った話

「私ばかり我慢をしている」から好転したきっかけ

「私ばかり我慢をしている」が好転したきっかけと考え方