フランス在住者が実際に経験したパリ2回のスリ被害

パリの街角 フランス観光の準備と注意

私はフランスに移住して最初の2,3年で2度もスリ被害にあいました。

「自分は大丈夫。」そう思っていて被害にあった、私の実際の経験を記しておこうと思います。

スリにあった経緯と、今だからわかるターゲットになったポイント、その対処法等をまとめてみました。他の誰もスリ被害にあわないようにと願いを込めて・・・

①パリ11区の家のドアの前で鍵ケースを盗られたケース

その日は郊外に引っ越しが決まり、11区の家(LedruRollin駅(8号線)の近く)で過ごす最後の数時間。引っ越し業者に頼んで荷物を全て郊外へ送り、自分たちは最後の家の片づけをして、郊外へ行く予定でした。

全ての荷物を送ったあと、私は生後7か月の我が子をベビーカーに乗せ、スーパーに買い物へ行った帰り道の14時頃。

買い物袋をベビーカーにかけ、コートのポケットにキーケースだけを入れ、「この道をこうやって歩くのも最後だな~」と感傷に浸りながら歩いていました。

その日のポカポカ陽気も手伝って、頭の中は完全に引っ越し先の事を考えており、パリで子どもを産んで、さあ、これから郊外へ引っ越して人生がまたひとつ変わっていくな~なんて、建物を眺めながらゆっくりと歩いていました。

自分のアパートの家の前でドアコードを押そうとした所、若い感じの良いお兄さん(20代後半~30代前半)が近寄り、

Gare de Lyon駅へはどうやって行ったらいいの?」と尋ねてきました。

こうやってああやって行くのだよ。と説明していると、私の後ろに人の気配があり、振り返ると、私の家のドアコードを押そうとしている人が見えました

そしたらそれを遮るように「それってこの道?」と先ほどのお兄さんが質問攻めしていきます。

いやいや、そっちじゃなくて、ここの道だよ。というやり取り正味30秒。

わかったありがと~と去っていくお兄さんを見送り、ドアを開けようとポケットに手を入れたら「無い。キーケースが無い。」

あっと思って振り返ると先ほどのお兄さんとグルの人と2人が走って逃げていく最中でした。

私はベビーカーを持っていたので追いかける事は出来ない

2人の背中を見送る事しか出来ませんでした。

キーケースの中には、この日、大家さんに返却予定だった鍵、クレジットカード、現金、滞在許可証などが入っていました。

自分の家の前で鍵を盗られるというなんともマヌケな体験でした。

私がスリ被害のターゲットになったポイント
  1. ベビーカーを押している。→ベビーカーを置いて走って追いかける事が出来ない。
  2. 鞄を持っていないポケットに大事なものが入っているであろうと推測出来る
  3. 別の事を考えゆっくり歩いている完全に気が抜け、油断しているのが丸わかり。注意散漫過ぎる。

スリに狙われない為の対処法

  1. ポケットに大事なものを絶対に入れない。→カバンを持っていない時点で、貴重品をポケットに入れているであろう事は明白。特にコートのポケットは簡単に盗れるようになっている。鞄はチャック付きのものを。
  2. 歩くときも気を抜かない。ボケ~っと歩いているとその動作で気が抜けている事は丸わかり。

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②ギャラリーラファイエットで靴の試着中にカバンを盗られたケース

この日は1人でギャラリーラファイエットに買い物に来ていました。斜め掛けの小さな鞄を持ち、手には紙袋を2つ持ち、地下1階、靴売り場で靴を見ていました。

気になる靴があると試着して、と繰り返して、その時点で既に5~6足試し履きをしていました

気になった7足目を見つけ、店員さんにサイズを持ってきてもらい、ソファに腰かけ靴を試着しました。

その日はロングコートを着ていたのですが、店内は非常に暑く、汗ばんでいたので、紙袋を足元に置き、試着しようとするも、コートが邪魔だし、暑い。

斜め掛けのバッグが邪魔でうまく履けない。

鞄をソファの上に置き、コートを脱いで試着しました。

そして目の前にあった鏡で確認してソファに戻り、自分の靴に履きなおし、さあ、行こうと紙袋を持ちました。

で、2,3歩歩いて「あ、斜め掛けのバッグが無い」と振り返った時にはもうソファの上には鞄はありませんでした。

試着したソファと鏡との距離は3歩ほど。すぐ後ろに荷物があるもんだと思っていました。店員さんもいて、サイズが大きすぎるね~なんて会話もし、その間1分ほど。

自分の靴に履きなおした時点で鞄がそこにあれば間違いなく持っているので、試着をしている間か、鏡で見ている間に盗られたと予想出来る。

私がスリ被害のターゲットになったポイント
  1. 手に買い物した紙袋を2つ持っている買い物するお金がある。買い物を目的に来ているのがわかる。
  2. 5.6足試着している。→スリにターゲットにされて後に、試着する動作を繰り返し、行動の癖や隙を見られていた可能性有り。また、買い物に夢中になっているのがわかる。
  3. 暑くてコートを脱ぐ際に、斜め掛けの鞄も一緒に取ってソファに置いた。→自分の荷物を手元から完全に離した

スリに狙われない為の対処法

  1. 靴の試着中は要注意。靴を履く際はかがむので、視界から鞄が見えなくなる斜め掛けでも鞄が背中側にあると中身だけ盗られていしまう可能性も有り。大事なものを肌身離さずを基本にする。
  2. コートを脱ぐという動作は、一度鞄を手元から離す事になる。この動作の流れを頭に入れておく。
  3. どんな時でも鞄は肌身離さずが基本。常に意識は鞄に注ぐべし。
  4. 観光客が多い所はそれに比例してスリも多い。観光地こそ一番注意する。

私のフランスに長く住んでいる友人達ももれなくスリ被害にあっています。

1度ではなく、2,3度被害あっている人も少なくありません。それぐらい身近なものです。

私もこの2度の苦い経験があるので、今では注意の注ぎ方がわかり、その所作が日常的に習慣となりました。

最後に、

私の旦那はもう20年もフランスに住んでいますが、一度もスリ被害にあっていません。

何故か。それは「自分は大丈夫。という根拠の無い自信は持たない事。意識は周りに伝わるから常に意識して行動する事」とのこと。

なるほど。そういう事ですな。